日記20200618

大雨……

仕事で微妙に納得がいかないことがある。こんなときは本を読むしかない。が、何を読んでいいのかわからない……。
たいていそういうときは旅行記を読む。さまざまなものがあるけれど、やけに些細なことが書かれた隅っこの蜘蛛みたいな文章が一番いいと思う。
ということでphaの旅行記(ではないけど)を読んでいた。細かい描写はないけれど、薄らぼんやりとした心情をあますことなく吐露していて、読んでいる間に「なんかしょうがないよね、今日は」と人生の店じまいを許されたような気になる。
phaの文章はマクロとミクロの視点が心地よく混ざり合っているのがいい。目の前にあるものが全て遠く、しかし細かいところはよく見える、そんな粗動と微動を繰り返すような心情。本を読んでいくうちに、自分の今の状況だってマクロに離れてみれば模糊としており、逆にミクロに寄れば存外にヘンテコ。どちらにせよ「今の視点」から少しだけ離れられた気になって思考が緩くなる。気がしているだけなのはわかっている。でも、この「視野狭窄から離れられているという幻想」は、人をすくい上げる力を持っている。