郊外型モールのお年寄り

私の趣味の一つは郊外型モール巡りである。郊外型モールとは、住宅地や都市から離れた場所に建っている大型ショッピングモールのことである。田舎に住んだことがある人間なら「イオンモール」と聞けば一つは思いつく場所があるだろう。駅前に建っている小さなデパートとはまた違う、不思議な文化層のコアとなる場所だ。私の出身地にもある。

この場所のターゲット層は、「車を持っていて週末買い物兼娯楽を求めて訪れる田舎民」といったところだろうか。ブティック(大抵ユニクロがラインナップにある)、雑貨屋(ダイソー、無印など)、電気屋、本屋、レストラン。大物家具を扱う店から女子高生が買っていくようなプチプラアイテムを扱う店、はたまたゲーセンまで、田舎の(そこそこヤング層の)娯楽を一身に担っている。

最近、それらの店を回っていると、休憩用の椅子にかならずお年寄りが座っていることに気づいた。数時間後も同じ場所にいる(そんなに滞在する私も相当暇人だが)。フードコートに行けば、マクドナルドのコーヒー片手に談笑する老人の集団。以前は勉強道具を持った高校生とかママさん集団が多かったような気がするのだが、最近はお年寄りが非常に目立つ。なんだか将来を先取りして見ているような気持ちになる。私も年取ったらあんなふうにフードコートで座っている、のだろうか……。そもそも私が老人になるまでに郊外型モールは残っているのだろうか。

こういうことをつらつら考えながらショッピングモールを回るのは結構面白い。あまりにやりすぎると精神が荒廃する。

この記事で紹介しているイオンモール高の原も行きました。誰も県境のことは気にしていなかったけど。

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