ロボット・イン・ザ・ガーデン

普段読まないタイプの本を読もうと思って購入したが、設定はSFですよね。今度は唯川恵とか読みます(?)

家庭用アンドロイドが普及している世界。奥さんに見捨てられそうなポンコツ亭主のもとに、謎が多いポンコツロボットがやってくる。現実逃避をしたくなったポンコツ亭主は、ロボットの作り主を探しに旅をする……という感じの話。

ポンコツ亭主のポンコツっぷりが非常にリアルというか、ある程度恵まれているがゆえに辛い状況にいるような甘ちゃんという設定が身にしみる。もともとの境遇が哀れな人と違い、ある程度恵まれている人間の不幸は見過ごされがちだけど結構根深い。そこがきちんと描かれていて面白い。

この小説、「ここでおしまい」って感じのスッキリしたエンディングがあって、その後にやたら長い後日談がついているのがちょっともったいない。ポンコツ人間の悲哀の描写とイギリス人女性の結婚感に触れたい人は読んでみてもいいかもしれない。日本人の常識とはかなりかけ離れていて目からうろこ。

最後にちゃぶ台返しをすると、SF的な考証はあやふやなので、『ドラえもん』みたいな感じで読むといいと思います。