日記20200522

そろそろ在宅勤務が終わる予兆を感じつつ仕事。日本中の企業でまたあの日常が戻ってくるのだろう。またコロナ第二波が来るんじゃねえの感に満ち満ちている。

村上春樹の『猫を棄てる』を読む。物語の欠片である自分たちと、欠片の集積によってしか成り立たない物語。そこにあるのは僕たちと物語が互いに互いを立脚させている循環的な関係だ。世界はジェンガのようなもので、ジェンガは1個の積み木だけでは成り立たないが、1個積み木を抜くと崩れ落ちてしまう。初出は2019年の前半なのだけれど、このコロナの嵐吹き荒れる時期にこの本が発売されたのは面白い偶然かもしれない。物語を吹き荒れる大きな嵐。嵐を大きくしていく小さな欠片たち。

ずっと迷っていた『裏世界ピクニック』を買う。ハヤカワだし宮澤伊織だし読みたいなあと思っていたのだが、「百合」という売り出し方をしていたのでちょっとだけ照れて買わずにいた。でも私がSFで読みたいものの一つはエモーションだし(飛浩隆だいすき!)、そもそもSFマガジン百合特集読んでおいてなぜ照れる……と思って買った。「百合」という言葉に対する私の感覚があまりに大雑把なのがよくない。人間になりたい……。
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猫を棄てる 父親について語るとき

猫を棄てる 父親について語るとき