それはあまねく訪れる――学園七不思議

つのだじろうの『学園七不思議』をだらだらと読んでいた。アニメの方は未見。美少女ってわけではないが、全体的に女の子の顔がひねくれていてかわいい。特にいじけた口が好きだ。やはりホラーと女の子はワンセットだ。

いくつかの学園編に分かれていて、主人公となるショートカット少女と黒髪ロング霊感少女が登場する。やっていることはほぼ一緒で、主人公とその周りの友人知人たちが何らかのオカルト事件に巻き込まれる。それなのになぜ、それぞれの学園に分ける必要があるのか。主人公が死ぬからだ。

驚くべきことに主人公が死ぬ。連続短編ものの主人公は語り手を担っていることもあり、あまり死なないことが多い。だけどこの漫画は、それぞれの学園編が主人公の死によって終了する。主人公補正などなにもない。

オカルトに興味本位で首をつっこむ彼女らは、漫画を動かすのにとてもありがたい存在だが、オカルト事件の死亡フラグを立てまくる嫌なやつらでもある。つのだじろうは容赦しない。引っ掻き回されたさまようものたちは、相手の立場や容姿や地位など考えず、平等に闇を見せる。だからこそ神秘的で、根源の恐怖を引き起こすのだ。生者にあまねく訪れる死のように。そのために、主人公たちはきちんと死ぬ。