漫画

宙に参る

漫画とか本とか、同じ作家の作品しか読めなくてけっこう老いを感じる。新しいものへの参入障壁が日に日にでかくなっていく……。 それがちょっと悔しくなって手にとったの『宙に参る』。結局SFじゃん! と言われればそうなのだけど。唯川恵とか読めるようにな…

統制しつくされたミステリ、人間には統制できない探偵――喰いタン

www.sukima.me 11月30日まで無料なので『喰いタン』の話を書かねばなるまい。そう決意したはいいものの、『喰いタン』についてはネットの民がすでに書きつくしている。私の駄文を読むよりも、まずはページを開くが良い。……とはいいながら、自分の感想を書い…

それはあまねく訪れる――学園七不思議

つのだじろうの『学園七不思議』をだらだらと読んでいた。アニメの方は未見。美少女ってわけではないが、全体的に女の子の顔がひねくれていてかわいい。特にいじけた口が好きだ。やはりホラーと女の子はワンセットだ。いくつかの学園編に分かれていて、主人…

歪んでいるのにクリティカルな関係――めしにしましょう

深読みしすぎと揶揄されてもいい。『めしにしましょう』は非常に屈折した百合漫画である。 ちょっと違うな。青梅川おめがと广大脳子は両方ともアイデンティティの核に女性である部分があまりない。特に作者の投影である青梅川さんには。だから、百合ではない…

エロ界の水戸黄門――どす恋ジゴロ

前回『任侠沈没』を読んで、こりゃあ勢いのある漫画を読まなければ、というか勢いしかない漫画を読まなければ!という謎の思いに誘われ、平松伸二の漫画をいろいろ漁っていた。 みんなだいすき平松伸二。『ブラック・エンジェルズ』の思い出を聞くと、たいて…

(勢い)(勢い)(勢い)――任侠沈没

某ツイッタラーさんが勧めていたのでちょこっと覗いてみたら……あっという間に最後まで読み切ってしまった。侠気あふれるヤクザ、大紋寺龍伍。組を思って組長の息子を斬ったがゆえ恨まれ、妻と子を殺されてしまう。仇討ちのため、組長のいる東京に向かおうと…

鬱ごはん

『鬱ごはん』を久しぶりに読む。ご飯を不味そうに食べている漫画だけれど、この不味そうな思考も含めて主人公は楽しんでいるのだろうなあ、なんて考えるようになった。ご飯を食べることを他人とのコミュニケーションに使う場合もあるけれど、自分一人ならそ…

大人の忖度で心を潰すな――『恋は雨上がりのように』

『かわたれの街』という勝田文の漫画がある。女子高生がダメ男に恋をする話なのだけれど、私はそれの第一話にあたる冬編が好きだ。 ダメ男に女子高生が告白する。ダメ男は、奥さんに振られても振られてもストーキングをし続けるようなダメな自分に恋などして…

『銭』という漫画に出会ったのは高校時代に通っていた皮膚科である。どうしてそこに置こうとしたのか、その意はわからない。その頃の私は、本や漫画が置いてあればすぐに飛びついていた。小遣いなどたいていもらってすぐに書籍に変身していたのだ。最初に抱…

銭ゲバ

ネットがしばらく使えなくて更新が止まってしまった。『銭ゲバ』を読んでいる。不幸の連鎖と思考の停滞。自分の後ろ姿に冷たい指が一本指されているような、そんな気持ちになる。

最近読書ブログではなくなってきた

長距離バスに乗ったら酔った。つくづく車との相性が悪い。『魔女の子供はやってこない』の感想が少しずつまとまりはじめている。ある読書ブログの詳細な記事を読んでしまったので、そちらに引きずられているきらいはある。『ギャグマンガ日和』を実家で読ん…

ゆるめいつ

台風でずっと部屋にいた。本を読んだり、高校数学をちまちま解いたり。引きこもっていると世界との接続が曖昧になってきて、自分と今日だけが手元にあるような気持ちになる。明日など存在しない。『ゆるめいつ』を読んでいるときに近い。『ゆるめいつ』は浪…

ミカるんX

特撮、宇宙、哲学、SF、格闘技、そしておっぱい。作者が好きなものをすべて詰め込みました……という漫画。大ぼらをしれっとした顔で語り、力技ですべてを抑え込む。筋立て自体は特撮モノの定番に則っているので割とシンプルなのが、「この人わかってるなあ」…

FLIP-FLAP

鬱々と過ごしてしまった。人生を進めるような行動は一切していない。俺は芋虫……。kindle unlimitedに入っている漫画をいろいろ漁っていたところ、とよ田みのるの『友達100人できるかな』を発見。以前紙の本を持っていたのだけれど人にあげてしまったので、久…

主に泣いてます

久々に読んだ。 絶世の美人で流されやすい泉さんが、様々な人たちに振り回される話。 泉さんに惚れる男たちも、泉さんを守る人たちも、本当に振り回してしかいない。彼女に対して主導権を握らせるシーンが一切ない。 でも、それは泉さん自身が主導権を握らさ…

王様達のヴァイキング16

発売されていたので早速読んだ。今回の事件の敵はめちゃくちゃハッキングが強いわけでもなく、ただただ「しょぼい」からこそ強い人間である。これは事件のスケールが小さくてつまんないっていう話ではない。むしろそういう人と是枝くんが戦えるようになった…